接客物語 14
2015年 11月7日です。
昨日も嬉しい接客をさせて頂きました。
9月に井筒屋パステルホールにて開催された北九州市初の 「 終活フェア 」に
ヨシダも出店したのですが、その時に知ったといわれて わざわざ八幡から
上品な年配のお客様が お見えになられました。S様といわれる新規の女性の方です。
地金買取の話になり、かなりたくさんの宝石と貴金属を買取らせて頂いたのですが、
その中に、金の懐中時計も有りました。
金の鎖も22金でしたので、買取金額もかなり高額になったのですが、その奥様は
今ひとつ、うかぬ顔です。
「 実は主人の形見なので懐中時計についている一分銀の硬貨に思い入れが
あるのです。」 との事でした。
「 ならば、その一分銀のところだけを外してペンダントにしましょうか。」
と、ご提案したところ、
「 そうして頂ければ本当に嬉しいわ」と、いう事で、一分銀を外して
金の懐中時計と、金の鎖も買取らせて頂きました。
「 奥様、金の鎖は業者に売却しますが、この懐中時計は私が保存して、
ヨシダコレクションの中に入れようと思っています。」
と、言いますと
「 それは嬉しいです。いつそのコレクションは公開なさるのですか?」
「 毎年、6月10日の時の記念日に合わせてたくさんの珍しい時計を公開するの
ですが、その中の一つにと考えています。
「 そうして頂けると本当に嬉しいです。私、毎年見に来ます。
この懐中時計に会いに来ます」
と、本当に嬉しそうに仰られてお帰りになられました。
そういえば私が所属しております門司港レトロ倶楽部でも、こんな体験が
有りました。 毎年、レトロひな祭りが2月ごろ、開催されますが、このひな人形は
市民の方々の寄贈がほとんどです。3年前、そのお手伝いをさせて頂いていた時の
事です。
「 アッ、今年は有った!」 という驚きの声に振り返ってみましたら、
中年とご高齢の見るからに親子様だと推察されるお二人が 嬉しそうに飾られた
雛人形をご覧になられていました。
お伺いすると、家が引越して狭くなり、雛人形を飾れなくなり数年前に寄贈なされた
という事でした。毎年、雛祭りの時期に門司港に来られてその雛人形を探して歩き、
何年かに一度、出逢う事が楽しみだと話されてその飾られた雛人形の前で 記念写真
を撮られていました。( 私がシャッターを押させて頂きましたが、、)
人には思い出の品が有り、その品が自分の手を離れたとしても、飾られたりすると
訪ねて会いにいくほどの思い出があるのですね。
今回、S様から買取らせて頂いたこの懐中時計もヨシダコレクションの一つとして
大切に保存、そして毎年6月には展示して参りたいと思います。
S様にはその後、めがねまでお買上げ頂いて感謝です。