眼鏡士のつぶやき22【既成老眼鏡】
- 2017年11月21日
- テーマ: つぶやき
こんにちは、オプトメトリストの鮎川です。
今回は 「 既成老眼鏡 」 について書いてみたいと思います。
この既製老眼鏡についてですが、これを使うのは大いに問題がある、
と認識したほうが賢明です。 実際、既製老眼鏡に使われているレンズは
粗悪なものが多く、歪みが見られます。
また、人の眼の度数は左右が同じとは限りませんし(左右違うことのほうが
多い)、 バランスの取れた視力が得られず片目に負担がかかったりします。
また、レンズの中心と視線が一致しないため、プリズムの影響を受けてしま
うこともあります。 プリズムの影響を受けると、眼には外や内あるいは上下
に向けようとする力が働き、 眼が本来向くべき方向を見るためには
余計な力を必要とすることになります。
ひどい品物では左右はおろか上下にもズレがあったりしまが、
特に人の眼は上下のプリズムには許容範囲が狭く、眼精疲労の大きな原因
になります。
既製老眼鏡は使用者の眼の状態を考慮して作られていません。
またホームセンターやディスカウントショップなど、
専門の知識の無いところで売られていることが多く、 (既製老眼鏡の中でも)
適切な度数のものを選ぶためのアドバイスも受けられません。 往々にして見られるのは、
必要以上に強い度数を選ぶ傾向がある、ということです。
しかも適切な使い方をしないために(外さずにテレビを見たり掛けたままで歩いたり)、
気が付いた時にはひどい遠視になっている方をよく見かけます。
正しい知識を持たずに既製老眼鏡を使うことは、後で取り返しのつかない事
態にも繋がりかねませんので使うのは避けたほうがよいでしょう。